第6回「カルテット」
ドラマ「カルテット」に
「みぞみぞ」している人は
たくさんいると思う。
いよいよ最終回らしいが
久しぶりに
「一瞬も見逃せない」「聞き逃せない」
ドラマであった。
ずっとその世界に浸っていたいか?
がドラマの判定基準だと思うが、
四人の暮らしを永遠に見ていたい
と思わせる「カルテット」であった。
主人公たちはそれぞれ複雑な人生を
背負ってはいるのだが、
泣いたりわめいたりはしない。
実に大人なドラマなのである。
「こうあるべき」なんて誰も言わない。
言えない。
彼らは「音楽」という共通言語で結ばれた
微妙な距離感の中で、ひっそりと
しかしピュアな心を秘めて生きている。
このドラマには本当に聞き逃せない
よく練れた細かい「会話」が飛び交い、
それが重要な要素であり魅力なのだが。
ドラマのクライマックスで
すずめが言う
「好き(愛)はこぼれるものでしょ」
という言葉が一番好きだ。
このドラマは「言葉」で大いに遊んでいるのに、
本当のことは言葉じゃなくて
「その人からこぼれてくる」ものだと。
そのこぼれるものを私は信じるというのだ。
感動するやん。
本当の家族を求め続けた真紀さんが
最後に選んだ曲はスメタナの
「わが祖国」であった。
実に実に洒落たドラマだと思う。
南郁夫
野球観察者
スポーツと健康のWEB &FREEマガジン「K!SPO(ケースポ)」で野球コラム掲載中
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