第1回「春の予感」
寒さが苦手なものにとっては、
あまりにもあまりにも長すぎる冬。
首をすくめたり、手をもんだり、背中を丸めたり。
あれこれ着込んでいるうちに、外出を断念したり。
もう「南への逃走」しかないと本気で決心しそうな、
限界ギリギリで気絶寸前の、その頃合に。
冷たい風の中に少しだけ
「もうちょいで、寒いの終わりですからっ」
という「温かみ」をほんのり感じる瞬間が、訪れる。
これを称して「春の予感」という。
それで毎年何とか逃走を踏みとどまっているのであるが、
この「予感」の正体て、なんなのだろうか。
単に気温から呼び起こされる感覚?
それなら同じ気温の「秋」にも
「春の予感」がしそうなものだが、
それは寂しい「冬の予感」に感じてしまうではないか。
なんだかエアコンの冷房26度と暖房26度て
同じなのか?みたいな話になってしまった。
多分、もっと「匂い」など根源的な「何か」を
五感が感じているのではないか?という程度の
適当な結論で、満足したい。
春が来るなら、何でもいいのだ。
ところで。
「春の予感」を感じた瞬間に心が夢想するのは
開放感や希望などポジティブな甘い感覚ばかりだが。
現実の人生では春になったからといって
いいことばかりが起こったことはない気がする。
入学や就職のイメージって、その真逆だし。個人的には。
まあ幻想で生きのびていきなさい、ということか。
と。またまた適当すぎる結論だが、
春が来るなら、冬が終わるなら、
何でもいいのだ。
南郁夫
野球観察者
スポーツと健康のWEB &FREEマガジン「K!SPO(ケースポ)」で野球コラム掲載中
*このブログは私がミナミ氏に「お題」を出して
ちゃっちゃと書いてもらおうという企画です
*あなたもミナミ氏になにか書いてもらいませんか?
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